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自然はだれのものか

コモンズとは共有地のことで「コモンズの悲劇」は,「牛が放牧される牧草地で一人が自己の利益を増やす目的で牛の頭数を増やせば他の共有者も牛の頭数を増やし,結果,牧草は草の再生前に食い尽くされてしまう」と説明されます。

コモンズの悲劇は,地球コモンズのメンバーである人類が自己中心的な我欲に基づく過剰消費行動をとれば,地球資源は枯渇し人類は地球環境の破壊と共に崩壊する,との生物学者ギャレット・ハーディンスさんの警告です。

コモンズの悲劇に対しては,反コモンズの悲劇として過少消費の問題も指摘されますので,中高生の皆さんは自分で調べて自分の考えを持てるようになって欲しいと思うのです。

「僕富論」は浜矩子同志社大大学院教授が言われますが,僕富とは「自分(僕)さえ良ければ」の考えとのことだそうです。

トランプ米大統領はアメリカ第一を主張されていますが,浜教授が言われる僕富論でないことを願うばかりです。

浜教授は僕富論の対極として「君富論」も展開されますが,僕も君も共に富むことができる「共富論」はなりたつのか,皆さんはどのように考えますか。

日本は,明治維新時には「富国強兵」を国家の指針として,帝国主義下の植民地獲得競争に参加していきました。

国政に参加していた頃,目指すべき国の姿を「富民優国」と考えたりしましたが,有限の地球資源のなかで全ての国と民はどうしたら心豊かな生き方ができるのか与に考えたいと思います。

平成29年5月31日

塾長 倉田榮喜