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H29.7.31

「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」という本があります。

2012年,南米ウルグアイのムヒカ大統領(当時)が,リオデジャネイロで開催された国際会議で,生き方や幸福についてスピーチされて世界の多くの人々に感銘を与えました。

大統領は言います。「目の前にある危機は地球環境の危機ではなく、わたしたちの生き方の危機です。」と。

大統領は言います。「社会が発展することが、幸福をそこなうものであってはなりません。発展とは、人間の幸せの味方でなくてはならないのです。」と。

自然の循環を生活の基本リズムとして生きた縄文時代の人々と,資本主義下の近代工業社会で,資本の利益と生活のために昼も夜も働き続ける現代の人々とを比べて,現代人の幸せは縄文時代より発展したといえるのか,考えてみる必要はないでしょうか。

ムヒカ大統領は,「人と人とが幸せな関係を結ぶこと、子どもを育てること、友人を持つこと、地球上に愛があること,こうしたものは、人間が生きるためにぎりぎり必要な土台です」とスピーチされたのですが,資本主義に基づく近代工業社会は文明の利器を発展させる一方で,自然環境のみならず人間が生きる必要な土台をも壊してはいないかと立ち止まる必要はないでしょうか。

皆さんが求める価値が「幸せ」である場合に,その幸せは,現在の資本主義システムで得られているものと同じでしょうか。

二度とない人生において,「求めるべき幸せと」は何か,皆さんはどのように考えて自分の人生を生きていきますか。

平成29年7月31日

塾長 倉田榮喜