人は人生が豊かであるように願うと思いますが,皆さんが願う自分の人生の豊かさとしてはどのような豊かさを願いますか。
人生の豊かさとして,①「経済的豊かさ」②「人間的豊かさ」➂「環境的豊かさ」を考えることができます。
経済的豊かさがお金に不自由しない資産家のことであるとして,貴方がこの豊かさを願うのであれば,日々の勤勉と貯蓄を怠らず,さらに先々の展望を謀って将来に利を増やす投資が必要です。
二宮尊徳翁は,「遠きを謀る者は富み近きを謀るものは貧す」と訓えられ,「貧人は今日の勤功をもって昨日の衣食を補う」と戒められています。
貴方が人間的豊かさを願うのであれば,人格の錬磨が必須で他者に対する「推譲」と惻隠の情(仁心)を実践することが必要で,これを実践する為には社会の中で求められる技術や力を貴方自身が日々に錬磨・向上させていくことが重要になります。
貴方が環境的豊かさを願うのであれば,地球資源が有限であること(コモンズの悲劇)を日々の生活に覚悟し自然の循環下で大地を耕す直耕の力を身につけて,自然を可能な限り壊さずに万物の生命と共生する決意が必要です。
そして,貴方がどの生き方を願ったとしても,「大事をなさんと欲せば小さなる事を怠らず勤しむべし」を日々の生き方の基本とすべきであって,「勤めて譲る者は富み,怠けて譲らない者は貧する」ことは,長い時間を経て得られた人間社会の経験則であることを心肝に染めて頂ければと思うのです。
平成30年6月11日
塾長 倉田榮喜