最終更新:

二度とない人生は,皆さんが祖父母の命を受け継いで此の世に生を受けた時に始まり,皆さんの命の時間が無くなる臨終の時に終ります。其の臨終の時に自分は幸福であったと思える為には少なくとも自分の分は務めたという満足感を持って臨終を迎えることが必要だと考えますが,幸福は為すべきことをした人に対し天が与えるものだとも言われます(森信三一日一語)。

人生で自分の臨終時に満足感を持てることは,自身の命の使い方を誇れることだと思いますが,その為にはまず自身の命の時間を使うべき使命を見つけることが大切になります。自分の使命を見つける為には,使命を求め続ける自己規律と修学と鍛錬を継続する事が必要ですが,貴方が何の為にこの世に生を受けて何の為に生かされているのかを自問しながら日々の修学と鍛錬を継続するならば,年齢と環境に応じた自分の使命を感得することは決して難しいことではありません。

人生における原点とは,修行と鍛錬の中で自分の使命を感得しえた時と場所を示しますが,その原点は夫々の人間的な成長に伴ってより高くより強固に止揚されていき,貴方が自分の原点を持つことが出来れば,人生で行き詰っても道に迷うことがあっても,自分の原点に立ち帰って再び出発することが出来るのです。

貴方が自身の使命を明確にして原点を持つことは,進むべき人生の選択の指針を持つ事でもあります。二度とない人生で皆さんに自分の原点を持って欲しいと思う所以です。

平成31年1月11日

塾長 倉田榮喜