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二度とない人生を生きている生は,自然の摂理下で賜った生であり,その生は祖代々の血を連綿として受け継いでいる命です。自然の摂理下で賜った生(賜生)ですから自然の摂理に添って生きる事は必然であり,祖代々の命を受け継いでいるのですから命に宿る宿業と共に生きる事を覚悟しなくてはなりません。宿業とは,自身が持っている命の傾向性と祖代々の血脈に含まれた宿命の事だと考えますが,人は誰であれ宿業を背負って二度とない人生を生きています。

貴方が宿業故に暗闇の不遇に遭っても,自分の生が賜った生であると悟り,二度とない人生を生き抜く覚悟を持って状況を見据えれば,進むべき先を照らす光が必ず見つかるのですから,宿業を人生を生き抜く支障ではなく生きる力とした方が良いのです。暗闇の彼方に見える光が他力の灯でも,暗闇を抜け出るまでに歩く力は自力と家族力であり,その自力は貴方の命に元々から備えられているからこそ賜生なのです。

貴方の二度とない人生の賜生において,自らの使命を果たすには,まず賜生であることを悟り,次に自分の使命を知覚する為の課題を乗り越える学と行との錬磨を怠らず,志を立てて目指すべき目的に向かって,一歩また一歩と辛いときも苦しい時も弛まなく歩み続けるならば,どんな暗闇であろうとも必ず抜け出る事が出来ることを確信して欲しいのです。

窮してくるしまず・憂えて意衰えず・禍福終始を知って惑わざる(荀子)

平成31年3月11日

塾長 倉田榮喜