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新元号令和の時代が5月1日から始まりました。平成の時代を無事に過ごせた事に感謝し,新元号令和の時代が穏やかで共生の時代へと進み,人類が直面している課題が解決される時代となるように努めたいと思います。

人類が直面している課題の一つは資本主義の歪みです。少数の資本家が価値の余剰を寡占する限り貧富の差は極大化し,この歪みを正すためには,資本主義者がその余剰を大多数に還元するシステムを作るか,大多数が数の力で寡占のシステムを打ち壊してしまうか又は多数の労働者が価値の余剰を資本家に提供することを拒否するかの方法を考えることができます。

地球環境の破壊や食糧不足も人類が直面している課題です。日本の食糧供給率は,カロリーベース38パーセント前後,穀物ベース28%前後で日本人は輸入が止まったら餓死するのです。資本主義による富の寡占と環境破壊や食糧危機を解決する方法として,安藤昌益先生が唱えられた「自(ひと)り然る(す)」・「直(みずか)ら耕す(たがやす)」・「互性」という考え方を再評価して,自然の摂理の下での「直耕と共生」という人間古来の生き方を確認したいと思うのです。

白川静先生の字通では,「令」は「礼冠をつけて神意を聞く人の形」とされており,「おつげ・みことのり・いましめ・おしえ・よい・ただしい」等の意味が載せられています。

令和の新時代が,「自然の摂理の下での共生」の時代へと進み,「打ち壊し」という争乱の時代には決してならないように,令和の時代を担う皆さんと共にその解を考えたいと思うのです。

令和元年5月7日

塾長 倉田榮喜