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自然界では,強い種が弱い種を食して命を繋ぐ弱肉強食の捕食関係が認められますが,捕食関係が存在するのは自然界の生態系を維持する為であって強者が勝ち残る為ではないのです。自然界に存在する種は,相互に補完しながら命を繋いでおり,捕食の関係にありながらもなお共生の関係にあるのです。

種の一つである人類は,陸地の動植物と海川の魚貝類等を食用とし,さらには牛や豚や鶏を飼って人種を増加させてきました。ところで,種の尊厳を自然界の根本価値とし,万物一体の仁を善,命の殺傷を悪と考える者は,菜食主義を目指すべきでしょうか。

菜食主義には多くの態様がありますが,ウキペディアでは,菜食主義とは,「健康,倫理,宗教等の理由から,動物性食品の一部又は全部を避ける食生活を行うことであり,実践する人をベジタリアン又はヴィーガンと呼ぶ。」と記されています。また,国際ベジタリアン連合が定義するベジタリアンの分類のなかでフルータリアン(果物主義者)は,果物,トマト,ナッツ類等を常食とし,大根等根のあるものは食べないとされていますが,皆さんにも, フルータリアンの人々が野菜であっても根のあるものも命として,命の殺傷を避ける意味を考えて欲しいのです。

そして,非菜食主義者は,多様な命を頂いて命を繋いでいる事の意味を考えて命を繋ぐ為の捕食を是としても,種を断絶し生態系を破壊するような捕食があってはならず,命を捕る事への礼儀と命を食する事の感謝の念を持つ必要があり,動物の飼育や捕獲においても命を甚振るようことがあってはならないのです。

令和元年6月28日

塾長 倉田榮喜