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明治大正から続いた昭和は,昭和20年迄の異常悲惨な戦争の時代を経て,同年8月15日の敗戦から昭和64年迄は,戦後復興と経済成長を掲げ田畑を工場とし農業国から工業国へと変貌して,国民所得は伸び続け「もはや戦後ではない」との意識を持つ中間層が形成され,戦後生まれの団塊世代も結婚して独立した家を持つことが可能な時代でした。

昭和後半の高度経済成長を引き継いだ平成の30年間は,戦争を経験しない平和な時代でしたが,資本主義の限界や環境・食糧・エネルギーの課題が顕在化する一方で,政治は平成元年からの10年間,環境・食糧・エネルギーの問題を黙視して政治改革をテーマとし,選挙制度は中選挙区制度から小選挙区制度に変更され,結果として強固な官邸政権が出現しましたが,温暖化等自然環境の悪化による風雨災害が頻発し,高齢化や少子化が進み右肩上がりの経済成長は神話となり,戦後の復興と経済成長を支えた資本主義は利益優先の市場経済下で限りなく利子を追及して貧富の差を拡大させ,穏健な意識を持つことを可能にした中間層は小さくなっています。

皆さんはその困難な課題を引き継いだ令和の時代を生きなければなりませんが,大変さに翻弄されることなく,環境・食糧・エネルギーを自分の課題とし,資本主義から生じる貧富の格差による不平等や自由の侵害を阻止できる共生社会を創築する独立自尊の集団に成って頂き,皆さんの力で令和が希望を拓く時代となって欲しいと祈り,思考から行動の年にしたいと思います。

令和元年12月27日 

塾長 倉田榮喜