万物を一体とする自然環境の下で,人が次世代に命を繋ぐのであれば,「種の尊厳」は価値の根本であり命の源です。
山形大学は,「およそ45億歳の地球は約6500万年前の恐竜絶滅や巨大隕石の衝突によって地球上の生物の約75%の絶滅を経験したと云われているが,現在の絶滅のスピードはこの大絶滅のスピードをはるかに上回り,100年前は1年間に1種の割合だったものが現在では1日に約100種の割合,1年間に4万種の生物が姿を消し,このままでは25年~30年後には地球上の全生物の4分の1が失われてしまう計算になる。」(概要)と発表しています。
地球に多種多様な種の生命体が存在し,これらの相互依存関係によっての自然環境があり,人は,空気や水を含めてこれらの自然からの贈物によって生きているのですから,地球に存在する種の絶滅の進行は命の生存環境を悪化させ,今後もさらに種の絶滅が進めば,人も生き残れない環境になると考えられます。
現在の種の絶滅の原因は,森林の破壊,オゾン層の破壊,地球の温暖化,人が造り出した農薬等有害物質の拡散等ですが,この原因を作り出しているのは欲望を本質とする利益至上の資本主義経済システムに他ならないと思うのです。
資本主義が継続的な成長と短期利益の確保を目的としている以上は,種の絶滅と生存環境の悪化が今後も限りなく進行して,そして終局にあるは人類の滅亡ではないかと思うのです。
令和元年10月31日
塾長 倉田榮喜