皆さんに,令和の時代を拓く決意と覚悟とを持って,今後の30年間の課題を担って頂きたいとお願いしたいと思います。
今後30年間に解決しなければならない課題は,第一に食糧は自給自足できるようにする事,第二に温暖化や寒冷化によって生じる生存環境の悪化を防止する為の技術を見つけて生活の在り方を見直す事,第三は自由と公正の権利を侵害されない為に資本主義の限界を乗り越える共生のシステムを創築する事です。
二・二六事件(昭和11年)は,恐慌と不況の時代下で権力への不信と資本主義の限界が意識されて起こりましたが,その後の日本はさらに「軍人」が力を持つ国となって戦争が拡大しました。悲惨な戦争の時代を経験として持っている限り,資本主義の限界を解決する方途は,武力による革命ではなく,独立自尊の技能による平穏な改革の途でなくてはなりません。
皆さんが生き残る為の食糧は,既存の流通システムに依存するのではなく半農・半職で自給するか,仲間と共に地域コミュニティの中で自給自足の集団を構築する方法を造る必要があります。そして,皆さんの何方かに温暖化や寒冷化でも生き残る新技術を見つけて欲しいのですが,その技術は,自然を制圧する技術ではなく,自然の下で万物と共生できる技術です。
令和の日本は,金融資本と市場経済重視の国から農を本として技と情を大切にする職人の国に戻れるように,皆さんには,家族と地域を担って,新しい時代を拓くことが出来る技能の職人を目指して日々に鍛錬と研鑽に努めて欲しいと思います。
令和2年1月10日
塾長 倉田榮喜