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自然に存する親は,何処でも何時でも懸命に子の命を守り育てることで,根源の価値が「種の尊厳」に在ることを示しています。

その価値は自然界に生きる全ての種に在り,その自然界は人類のものではなく,人は人だけでは命を繋ぐこともできないのです。

自然の摂理は,万物に適用される根本規範で地球に存する「生命の種」を次世代に循環させる自然界のリズムです。

横井小楠翁の「天理は万物の和にあり」との言葉のように「万物の和」を創造する根本の規範ではありますが,人類を中心にする規範では決してないのです。

皆さんの命の誕生を,両親,祖父母と遡れば,その究極の命は根源の種としての生命体となり,この根源の生命体が自然の摂理の中で生成されて,今日の皆さん一人一人の命となっています。

私は,人の生命を根源まで遡ることを「大孝」としますが,大孝は人類の命とエネルギーの根源を意味し,種の尊厳を根源の価値とすることにつながると思う一人です。

人類を含む全ての生命体は,自然の摂理に抗することはできないのですが,それは,自然の摂理が万物の和を創造し,生命の種を次世代へと循環させているからにほかなりません。

自然の摂理において,植物が種から苗となり実をつけその実が種となることを繰り返すように,人生においては,幸せの種としての「善」を播き続けることが大切だとも思うのです。

ところで,皆さんが心に思う幸せの種とは何ですか。立志学舎で与に学ぶことができるように願っています。

                   平成28年9月10日

                     塾長 倉田榮喜