Archive: 2018.02

最終更新:

H30.2.28

橋本左内(1834~1859年)は,徳川幕藩体制下の思想家ですが,吉田松陰と同じく安政の大獄で命を落としました。

橋本左内は,15歳の時,①去稚心,②振気,③立志,④勉学,⑤択交友という5か条の生き方の指針を創ったとされます。

この指針は今なら中学3年生頃に創られたのですから,皆さんも,自分の生き方の指針を早く創って欲しいと思うのです。

生き方の指針は,最初から完全なものではなくても成長に応じて改めれば良いのですから,大切な事はともかく出来るだけ早く創って,自分の行動を日々に律して勉学と鍛錬に励むことです。

稚心とは子供じみた心を指しますが,いつまでも親に甘えて,結果にも責任を取らず自由気儘な心のことです。

皆さんが何歳になっても稚心を去れないでいると,その甘え心は嫉妬と一緒になって,人生そのものを狂わせます。

立志を掲げる以上はできるだけ早く稚心を去って,自分に徹し自分の環境を受け入れる「唯我他尊」「自律他尊」の人になっていただきたいと思うのです。

唯我他尊の生き方とは,自分に起こる事象は幸不幸の全てを受け止めて,他に転嫁せずに天から自分に与えられた宿題として,どんな不幸にも負けることなく人生を生き抜く生き方のことです。

水銀中毒被害の遺族の方が「毒を飲まされたのではなく,毒を引き受けたのだ,と思うようになった」とお話されたそうです。

全ての事象を自分の宿題として引き受けることは大難事ですが,立志学舎で与に学びながら与に目指したいと願っています。

平成30年2月28日

塾長 倉田榮喜

 

最終更新:

H30.2.9

一燈を掲げて志を実現するには,努力を継続する自律意思と目標と目的を心に念じその実現を決定する覚悟が必要です。

立志の目標と目的が日々に念じる心願となれば,目標達成と目的実現に不可欠な事と不必要な事とは自然と選択できるのです。

貴方は,二度とない人生に何を求めるのか,何を実現したいのか,との問いを心に反芻してその答えを追い求めながら,立志の覚悟をゆるぎないものにして実現の努力を継続することが肝心です。

生まれ育った環境や備わった能力は夫々に異なりますので,貴方は好きな事や得意な事を学ぶことから始めればよく,他者の環境や才能を妬んでも,良いことは皆無で積善の道にも反します。

貴方が,自分に秘められた才能を信じ稚心や甘え心を排して,自分が存在する環境や状況をよく見詰めて覚悟するならば,貴方が人生で果たすべき使命は必ず見つかるのです。

照国の一燈たらんとの覚悟を決めて,その実現に向かって努力を続ければ貴方の使命は次第に明らかになり,その使命のステージは一段また一段と高くなって行くのです。

当初の志が貴方の最終的な使命であるかどうかに関わらず,志に向かって努力を続けることは何の無駄にもなりません。

そして,貴方が立志の一燈を掲げてその使命を人生で実現するためには,自身の日々の行動を律する規律は必要不可欠です。

貴方は,起床・挨拶・食事・勉学・鍛錬・仕事・読書・娯楽(ゲーム等の制限)・就寝等に自身の規律を創り,甘えと例外を排して規律を守り,勉学と鍛錬を継続する努力と覚悟が必要です。

                   平成30年2月9日

                     塾長 倉田榮喜