Archive: 2018.04

最終更新:

H30.4.27

小学生の頃に金持ちになることを夢みましたが,「何の為に」という目的を持たず,実現までの「具体的行程表」も作れなかったために,その後の人生を紆余曲折することになりました。

皆さんが夢と目的を実現するためには,①腕力②金力③権力④智力⑤情報力⑥人格等の実現に必要な力を持つことが必要で,その力は他者に影響を与え目的達成の協力を得る力ともなります。

腕力があること(武芸・体力),お金を持つこと(金力),物事の決定権を持つこと(権力・地位),智慧を磨くこと(智力),事情に通じること(情報力),人格(徳力)に優れるなどの力を身につけるには日々の鍛錬と修学が不可欠ですが,根本的な大事は「何に成るのか」ではなく「何を成したいのか」という「志と覚悟」を持つことで,力は目的達成に必要な道具なのです。力のなかでも人格は,古来より「仁者無敵」と言われるほどの重要な力ですから,人格形成には生涯を通して努めて欲しいと思います。

夢と目的を実現するまでの週・月・年の具体的な行程表をつくり,これを実行し力を身につけるならば夢の実現は目前ですが,その目的は自分の「分」(使命)に応じたものであるべきです。

道教の始祖の一人と言われる荘子(紀元前369年頃~同286年頃)は,「小人は財貨を追い求めて身を破滅に陥れ,君子は名声を追い求めて身を犠牲にする」との言葉を残しましたが,皆さんの二度とない人生で最重要なことは,「何の力を身に付けて」「何を成して臨終を迎えるか」という自分自身の覚悟を定めることであり,それが夢と目的の出発点なのです。

平成30年4月27日

塾長 倉田榮喜

最終更新:

H30.4.11 (2)

人は,地球に存在する万物の一つの種にしかすぎず,万物の生存は,自然の摂理である天理によって左右されています。人類が万物を制圧しようとすることは,天理に反し人類の存亡にもかかわることであって,人には自然の摂理(天理)を変更する自由はないことを胆に銘じる必要があります。

人の集団である国家の多くは,人は生まれながらに人間であるということで自然権なる自由を保障するとしますが,自然の摂理が人に自由を認めているわけではありません。人は,春に咲く桜を楽しめるのと同時に,地震,台風,大津波等大自然の変動のなかで生かされているにすぎず,大自然の摂理の下に命を繋いでいるという事実に抗することはできません。

国家において自由(思想,良心,学問,表現の自由等)は,個人の尊厳に基づく中核的権利とされ,この自由は統治権力からの自由として保障されますが,権力と法によって公共の福祉という名目や集団の義である「人道」によって制限される自由であり,人は,国家や人間の集団においても完全な自由はないのです。

さらに,「己」としても,自由は祖父母の血脈から受け継がれる「業」によって制約されていると受け止めざるを得ません。人は,誰もが平等に誕生するのではなく,夫々の「己」は清算すべき「業」を誕生時に背負っていて生まれた環境が負の環境であれば,人生で清算に努めなければならない負荷となります。

人の自由は,①自然の摂理,②集団の義,③血脈の業,に制限された自由であることを覚悟して生きる必要があるのです。

平成30年4月11日

塾長 倉田榮喜