Archive: 2018.05

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人生の生き方として,①資本主義の下で経済的自由を得ることを目指す生き方,②社会で必要とされる技と力を発揮することを目指す生き方,③自然の中で直耕して自給的生活を目指す生き方等が考えられますが,皆さんは自分の命をどのように考へ,生まれてきた自分の環境下で其の命を何に使いたいと思いますか。

日野原重明先生(1911年~2017年)は,命について「命とは与えられた時間」とされて,其の命の時間を「できるだけ人のために使えるようになりましょう」との趣旨を話されています。

「命とは与えられた時間」であるとして命を使うのであれば,自分に必要な作業もお金を払って他の人に代行してもらい,その時間を自分が目指す目的の為に使うこともできるのです。

貴方は何の為に命の時間を使いたいのか,其の命の時間の使い方については,将来を先見して年齢毎に到達すべき目標を計画して,自分の成し遂げたい目的を明確にしていくことが肝心です。

例えば,10歳までに必要な躾を身に付け,20歳迄は礼を学び自分の分を見つける修学と修練を専らにし,30歳迄に稼ぐ力としての技や資格等の力を身につけて自立する為の計画を具体化し,40歳迄には其の計画に必要な資金を準備して,40歳から70歳迄の30年間において身に持った技と力に拠ってこの世における自分の使命を果たすという目標を立てて実現するなどです。

人生の臨終を迎える其の後の10年~20年は,自分が持っている技と力とお金は,地球環境(自然)や社会(地域や故郷)と次世代(教育)のために使えるようにと思うところです。

平成30年5月31日

塾長 倉田榮喜

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資本主義の中で生きるにはお金が必要ですので,第1には,お金を稼ぐ力(技術や資格等)を身につけなくてはなりません。

どのような技術や資格を身につけるかは,二度とない人生で貴方が「何を成したいか」に由るのですが,修学と修練を専らにして力をつけて稼げるようになった後,第2には,計画的にお金を貯蓄する事と使い方についての設計図を作ることが重要です。

礼記には「入るを量りて出ずるを為す」とありますが,お金を貯蓄するにはまず「入りを計りて出ずるを制す」ことが肝心なのです。

現在の世では,信用・才能・名声・地位のみならず命さえもお金で買うことができる場合があり,お金は実に使い勝手の良い社会の道具でお金を貯めておくことは人生の選択肢を拡げます。

しかし,お金が使い心地の良い社会の道具であるとしても,所有欲のみで金庫や銀行等にお金を貯め続けることを目的とすることは間違いで,貯蓄自体が悩みや身の破滅の原因となります。

また,人生で必要な人徳・品性・愛情・真実の友情・尊敬はお金で買うことはできないことを知らなくてはなりません。

二宮尊徳翁が,収入の半分で生活し残りの半分は将来と他に譲るべきである(分度と推譲)とされた趣旨を思慮すべきです。

人生の最期をどのように終えるかは,お金を持っていることよりも,命とお金をどのように他の為に使ったかで決まるのです。

結局,最重要の第3は,命のある限り必要な技量と力を磨き続けながら,他を思いやる仁心(惻隠の心)を実行する事であって,この生き方こそ人生の臨終を豊かにできる生き方なのです。

平成30年5月11日

塾長 倉田榮喜