Archive: 2019.10

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万物を一体とする自然環境の下で,人が次世代に命を繋ぐのであれば,「種の尊厳」は価値の根本であり命の源です。

山形大学は,「およそ45億歳の地球は約6500万年前の恐竜絶滅や巨大隕石の衝突によって地球上の生物の約75%の絶滅を経験したと云われているが,現在の絶滅のスピードはこの大絶滅のスピードをはるかに上回り,100年前は1年間に1種の割合だったものが現在では1日に約100種の割合,1年間に4万種の生物が姿を消し,このままでは25年~30年後には地球上の全生物の4分の1が失われてしまう計算になる。」(概要)と発表しています。

地球に多種多様な種の生命体が存在し,これらの相互依存関係によっての自然環境があり,人は,空気や水を含めてこれらの自然からの贈物によって生きているのですから,地球に存在する種の絶滅の進行は命の生存環境を悪化させ,今後もさらに種の絶滅が進めば,人も生き残れない環境になると考えられます。

現在の種の絶滅の原因は,森林の破壊,オゾン層の破壊,地球の温暖化,人が造り出した農薬等有害物質の拡散等ですが,この原因を作り出しているのは欲望を本質とする利益至上の資本主義経済システムに他ならないと思うのです。

資本主義が継続的な成長と短期利益の確保を目的としている以上は,種の絶滅と生存環境の悪化が今後も限りなく進行して,そして終局にあるは人類の滅亡ではないかと思うのです。

令和元年10月31日

塾長 倉田榮喜

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日本の人口は減少を続ける見込みですが,世界の人口は西暦2000年時は約61億人で食糧需要は約45憶トンでしたが,同2050年時には約96億人に達し食糧需要は約69憶トンまで増加するとされています(平成27年10月農林水産省)。

日本は,9割以上のエネルギーを海外に依存するエネルギー貧国ですが,食糧自給率もカロリーベースで計算しても4割に満たず,その生産率は,米は100%ですが,小麦は13%,大豆は7%,肉類は9%しかありません(農林水産省平成26年概算値)。

人口が増えても食糧生産量が需要を上回っている限り食糧不足は起こりませんが,問題は人口の増加に見合うだけの食糧生産を今後も続けることが可能かということです。

大地は豊穣で十分な食料生産力があるとの見方もあると思いますが,世界の文明都市が現在の水準でエネルギーを消費して大気を汚染し温暖化が進めば,地球の食糧生産力は減少して需要が供給を上回り,日本は食糧の輸入が出来なくなる事態が現実化するのも遠い先の話ではないと思えるのです。

世界で食糧が不足した場合にお金で買い漁る事は許されず,米麦大豆等の生存に必要な穀類は輸入に依存するのではなく,国内での自給体制を確立する事は急務なのです。

人が生存して明日への命を繋ぐ為には,食糧はダイヤモンドよりも重要で車よりも必要であることを覚知し,国内の食糧自給体制を急ぎ,農業を本とする自然と共にある国に変わることが必要なのです。

令和元年10月10日

塾長 倉田榮喜