Archive: 2018.08

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ヒトは,躾を身に付けて互いに支え合うことで人となり,人は,集団での礼を弁えて人間となり,人間は,集団で相関連帯の行動をとることで自然界の淘汰を生き残ってきました。

家族は,自然界における人間集団の核となる集まりで,家族の関係には,縦軸としての親子関係,横軸としての夫婦関係,斜軸としての兄弟姉妹関係があります。

家族の縦軸である親子関係に父子関係と母子関係があり,親の子に対する「慈」と「愛」,子の親に対する「孝」と「敬」を絆として結ばれる血脈関係で切ることが出来ない特別な関係です。

家族の横軸である夫婦関係は,「愛情」と「共通目標」の絆で結ばれ,互いが持つ欠点を補完しながら子を育成し,家族が父祖母から引き継ぐ「業」に共に向き合う関係ですが,解消を可能とする関係でもあり相互の許容が必要とされる関係です。

斜軸となる兄弟姉妹関係は,横軸である夫婦関係の鎹なって父母の絆を強固にし,愛情と互助の絆を共有して成長し,家族の「業」も承継する関係にあります。

家族は,血脈と強い絆で結ばれる人間集団の核であり,自然界と人間社会を生き抜く生活共同体で先祖の祭祀を共にする運命共同体ですから,自由になりたいと言って家族から独立して孤立することは,自由を得ることではなく破滅への放縦にすぎません。

皆さんには,生活の拠点である家族の意義と役割を確認し自負を持って,家族の一員として自分の自を活かしその分を果たしていく使命があるのだと明らめて欲しいのです。

平成30年8月31日

塾長 倉田榮喜

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人世に戦争も無く災害も無い平和で平穏な時代は,権力に抗する力も人の動物的能力も弱くなりますが,このような平時では政府や地方自治体による「公助」を期待することが可能です。

しかし,大地震等で政府や行政機能が壊滅的状況になってしまった乱時には, 行政による公助は機能しないことを覚悟すべきです。乱時で行政が機能しない場合には,自らの命は自らが守り抜くという「自助」の力で生き抜くしかないのです。

そして,一人一人が自助の力を発揮して大災害等から生き抜く為には,生存の砦として家族の団結と家族での準備が不可欠です。家族の団結力(家族力)で,災害の危険度に応じた避難の方法と平時に戻るまでの間如何にして生き抜くかの対策を決めて,それを実行する為の準備をしておくことが必要となります。

家族で必要な準備は,①現居住地における災害発生の危険度を調べて協議しておく,②災害発生時の家族間の連絡手段と避難経路の確認及び避難場所での非常食を用意しておく,③大災害対応の避難場所として二次居住地を用意して3ヶ月間程の食糧を備蓄しておく,等が考えられますがその為の資力や体力も必要となります。

資力を含めて大災害対応の準備が家族だけで手にあまるとすれば,血縁(親戚)や人縁(共にできる仲間)の絆による「互助」システムを形成しての準備,さらには集落や地域による地縁共同体の「共助」システムを構築して避難対策を纏めておく等,皆さんにも大災害を生き抜く為の智慧を絞っていて欲しいのです。

平成30年8月10日

塾長 倉田榮喜