Archive: 2019.01

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人生には限度があり,生きる苦難も無限に続く事はありません。人生に如何なる苦難があっても生き抜く事こそ第一と決めて,自裁はしないで欲しい,此の世に二つとない大切な命です。人生でどのような苦難があろうとも命を放棄せず,苦難の正体を明らかにして対処の智慧を絞りぬき難時を乗り越えてください。

人生に限度があるように地球の空気も水も無限にはなく,限度なき成長や繁栄は紙上だけのもので,人類が限度なき成長を目指して負担を次世代に先送りする事は崩壊の道標にほかならず,何事も限度を知り分度を極める事が生き方の基本だと思います。

人の動物的欲望に限界がないのは問題ですが,資源が無限であることを前提にする資本主義も,限りなき欲望を基本とする生き方も,限度という真理の前に崩壊せざるを得ないと思うのです。地球の資源は有限であり全ての物事には限度があることを前提として,皆さんは,限度を知り自分の分を見極めてその分度を明らかにしながら人生の苦難を乗り越える智勇を持ってください。

二宮尊徳先生は,人生の生き方として「分を定めて度を立てる」ことを基本とされました。「分を定める」とは,社会の中で果たすべき自分の分を見極める事で,「度を立てる」とは,自分が持つ其の分を極めて経済的収支の割合も明確にして人生を生き抜いて行く事だと思います。

二度とない人生において,自分の其の分を極めて其の度を立てる為には社会で果たすべき自分の使命を覚知する事が必要で,使命を覚知する事は分を極めて度を明確にする第一歩なのです。

平成31年1月31日

塾長 倉田榮喜

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二度とない人生は,皆さんが祖父母の命を受け継いで此の世に生を受けた時に始まり,皆さんの命の時間が無くなる臨終の時に終ります。其の臨終の時に自分は幸福であったと思える為には少なくとも自分の分は務めたという満足感を持って臨終を迎えることが必要だと考えますが,幸福は為すべきことをした人に対し天が与えるものだとも言われます(森信三一日一語)。

人生で自分の臨終時に満足感を持てることは,自身の命の使い方を誇れることだと思いますが,その為にはまず自身の命の時間を使うべき使命を見つけることが大切になります。自分の使命を見つける為には,使命を求め続ける自己規律と修学と鍛錬を継続する事が必要ですが,貴方が何の為にこの世に生を受けて何の為に生かされているのかを自問しながら日々の修学と鍛錬を継続するならば,年齢と環境に応じた自分の使命を感得することは決して難しいことではありません。

人生における原点とは,修行と鍛錬の中で自分の使命を感得しえた時と場所を示しますが,その原点は夫々の人間的な成長に伴ってより高くより強固に止揚されていき,貴方が自分の原点を持つことが出来れば,人生で行き詰っても道に迷うことがあっても,自分の原点に立ち帰って再び出発することが出来るのです。

貴方が自身の使命を明確にして原点を持つことは,進むべき人生の選択の指針を持つ事でもあります。二度とない人生で皆さんに自分の原点を持って欲しいと思う所以です。

平成31年1月11日

塾長 倉田榮喜