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エネルギーが継続的に供給されてこそ都市は機能しますが,2017年時点で地球のエネルギー資源埋蔵量を年間生産量で割ると,石油は50年,天然ガスは53年,石炭は134年で尽き,50年後にエネルギーが都市に供給される見込は少ないのです。原子力発電は,使用済み核燃料棒の処分方法がなく,大事故の際には放射性物質や放射線の拡散を抑制出来ない状況にあります。原子力発電の使用済み核燃料棒の処分方法が見つかり放射線が生命と環境に対して無害になる対策が発見されるまで,原子力発電は未完の文明装置「死滅への文明装置」(脱原発・再生文化論)であることを覚悟しなければなりません。

現在の文明都市は,エネルギーや食糧が供給されなくなると機能不全となり,さらには想定外の大地震が起こると経済効率優先で造られた文明施設自体が簡単に死の装置に転じてしまいます。都市に住む人々は,今後に起こる大事に備えて逃げる方法と避難先を準備しておかなければならないのですが,出来るだけ早く都市生活に見切りをつけて,食糧もエネルギーも自給自足できる場所を探しておくべき時が目前に来ていると思います。

未来を担う皆さんには,経済至上主義で造られた都市生活で,命の時間と共に体や頭を資本に酷使されるのではなく,自分の命の時間と身体は祖父母の故郷で,自然と共に生きることが出来る生活空間と生活文化を創造することに使って頂きたいと思います。皆さんの意思と力が結集して,自給自足の地域共生型集落が再生創造されてこそ,未来に命を繋ぐことが出来ると思うからです。

令和元年9月11日

 塾長 倉田榮喜